我が怒り雷(いかずち)となり我が涙 雨となりてぞこの地球(ほし)に注ぐ
滴塵046
本文
我が怒り雷(いかずち)となり我が涙 雨となりてぞこの地球(ほし)に注ぐ
形式 #短歌
カテゴリ #10.精神・悟り・心象
ラベル #喜怒哀楽 #涙 #雨 #地球 #自然現象 #精神
キーワード #怒り #雷 #涙 #雨 #注ぐ #地球
要点
怒りや涙が自然現象となって地球に注がれるという比喩表現。
現代語訳
私の怒りは雷となり、涙は雨となってこの地球に降り注ぐ。
注釈
地球に注ぐ:感情が自然や宇宙と連動するイメージ。
雷・雨:激しい怒りと抑えきれない悲しみ・涙の象徴的描写。
解説
怒りと悲しみという内面感情を、自然現象に置き換えて宇宙的スケールで描く。精神と自然の一体感、感情の大きさを強調した表現。小さな怒りや悲しみに振り回されるのでなく、密教的な大きな怒りや悲しみを持つことを勧める。
深掘り_嵯峨
個人の激しい感情を、自然現象や宇宙的な力にまで拡大させた、壮大なスケールの歌です。
密教的な思想では、個人の心(ミクロコスモス)と宇宙(マクロコスモス・大日如来)は一体であるとされます(身・口・意と三密)。この歌は、怒りや涙といった人間の激しい情念が、雷鳴や降雨という宇宙的なエネルギーとなって「この地球」に作用するという、自己と宇宙の完全な一体感を表現しています。感情の持つ力を肯定し、それを宇宙的なスケールで捉え直した一首です。